名もなき未知

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コミュニティデザインの思考 / これから始めるコミュニティマネジメント入門 (2)を読んだ感想と、自分がコミュニティ運営でやりたいこと/コミュニティに期待すること

自分自身でもイベントを開きながら、なんとかコミュニティ運営をしていたり、カンファレンスのスタッフとして関わることもあり、と僕自身がこのあたりのコミュニティデザインについて考えざるを得ない状況になっている。

そんな中、運良く知り合いに下記のスライドを共有してもらったので読んだ。自分が何となく思っていたことが言語化されていたので、非常に良かった。

コミュニティデザインの思考 / これから始めるコミュニティマネジメント入門 (2)

以下、続きから(久々に大作を書いた気がする)

スライドを読んだ感想

あっ、ほとんどお気持ちしか書かれていないので、事実が知りたい方はスライドを実際に読んだほうがいいです。

  • (P. 13)僕はコミュニティのデザインをどうするか?を考えられてないかも
    • ワイワイで集まって、立ち上がるみたいなパターンは多い
    • その後どうしたいかがぶれがちなケースを多数見てきた気持ちがある
    • 1年で消える会社が云々という話もあるが、1年で消えるコミュニティも星の数ほどあるのではないだろうか(メトリクス取れるのかはしらない)
  • (P. 18, 19) コンテンツ・イベントに注力してしまって、戦略やビジネスが軽視されがちという現状に非常に同意
    • 戦略やビジネスがあっての、コンテンツ・イベントのはずなのだが、いつの間にか目的と手段が逆転している現象ではないか
    • 自分が運営に携わっているコミュニティ運営では、金の動くビジネスではなく、知識・経験のビジネスと言うか、下地作りの側面が強いなと感じた
  • (P. 24) コミュニティが数カ月後になっていたい像、ビジネス的な価値について僕は答えられる気があんまりしてないので反省している
    • 頭の中にはあるけど、言語化やロードマップとして可視化した試しはない
    • そして自分の頭の中と、他人の頭の中でそのすり合わせはできていない
    • イベントを回そう、が目的になってきている可能性があり、よろしくないことに気がつく
      1. 26 のこれは後で見ておく https://www.feverbee.com/strategy/
      1. 45 あたりのTo-Be像も関連項目かなぁ
  • (P. 31) 何をする、何をしないの整理もまだまだ足りてない
    • 運営メンバー間での価値の標準化、共通認識として持っているものを統一しないと…
  • (P. 38) 宿題:コミュニティキャンバスを書く
  • (P. 40) 場所を貸してもらうとかは完全にメンバーに任せきりでサボっちゃってるので、自分自身の中の問題だと認識した
    • 貸し出してもらうにも実績なり、社内の書類なり書いてもらっているんだと思う
    • 見えないところで頑張って場所を勝ち取ってくれているメンバーに、これまで以上の感謝をしていきたい
  • (P. 48, 49) コミュニティライフサイクルを意識したい。最初は熱量の高いメンバーでやるのが良い、それはメッチャクチャ同意。
    • (P. 51) サイズ、メンバーの比率、階層構造… って考えるとやっぱり会社組織みたいなもんだよなーっていうのを感じる
    • (P. 52) 150人でコミュニティ感覚が薄くなるらしいけど、まず自分がやっているところでそこまで大きくできた体験がないので、まずそこを突破した先を見てみたい
    • (P. 59, 60) ネットワーク化された複数のコミュニティに持っていくの、ワクワク感がある。特性的に能力が活かせる人同士で組んで、シナジー的に面白いものができるとなお良いんだろうなぁ。(できるものが何かは知らない)
  • (P. 64) 強いつながりと、弱いつながりのどちらを目指すか
    • 個人的には運営は強いつながりで、イベントは弱いつながりなのかなあ
    • でも代謝していくことを僕は目指したいので、少しづつ強いつながりの人を増やしながら、スケールしていく、が現実的なラインなのかな?
  • (P. 67) 誰が何を知っているかを可視化しておくのも大事
    • アジャイルのスキルマップだけど、何ができるが可視化されているのは仕事のしやすさやばいよね
  • (P. 72) 体験のライフサイクルを設計しないといけないなぁ…
    • 漠然と、参加者→運営→僕のリプレイス、みたいなことが果たされれば良いとは思っている
    • が、プロセスに置き換えるようなことをサボり続けている自分がいる
  • (P. 76) 興味・ボードはある程度クリアできているとして、オンボードとか全然できてない
    • 価値、愛着、貢献のうち、僕は全てに対してコミットしたり得ているものがあると感じているけど、他のメンバーはどう考えているのか認識できてない
    • KPTやYWTをやることも大事だが、深堀りするとかそうでない気持ちの振り返り、みたいな深く考えることがまだできてないのかも(形式手法に頼りすぎている可能性)
  • (P. 87) 実践、ウッ頭が
    • 結構ここまででも気がついていなかったインプットが多く、まだまだやれていないことがたくさんあることを実感
    • コミュニティマネージャにまず僕がなって、フォローアップや仲間同士をつなぐことを頑張らなきゃ
  • (P. 92) コミュニティをやめるタイミング考えたこともなかったな
    • 自然なフェードアウトパターンばかりを見てきた気がする
    • あるいはコミュニティ自体の消滅
    • 卒業するような形で送り出すとか、本当はそういうことをしたほうがいいのかもしれない
    • 気持ちの整理もできる
  • (P. 93, 94) 個人によって得られるものが変わってくるのは確かにそう
    • なので自分自身はこのイベントに参加する、というのは明確な意思決定と目的を持って参加する場合が多い
    • 割と好き勝手に自己決定的に勧めている部分もあるので、メンバーがどのあたりにいるのか考えながら、反省した
  • (P. 99, 100) ルールポリシーガイド、このあたりも割とワイワイで集まって放置されがちなタスクだと個人的には認識している
    • これも僕が持ったまま作業が進んでないことのひとつなので、解決しなければ
    • ルールがコミュニティの形を作っている、という気がする
    • 閉塞だなと感じるならトップダウン的なんだろうし、開放感が強いならボトムアップ的なんだろうなあ
  • (P. 102) 細かい行動や称賛はもっと推し進めたい
    • 個人的に意識しているポイントではあるが、今以上にやらないといけない
    • テキストチャットとかでやり取りすることが多いので、認識を合わせるのが大変だが、徹底しないと
    • やった仕事に関して感謝されるのは気持ちが良いので、自分からまず感謝しよう(誠意努力はしてるけど、至らないと思い返したシーンはたまにある)
  • (P. 107) 貢献の経済を回す、きれいなモデルだと思う
    • 何が貢献できるのか、何をコミュニティは求めているかはコミュニティに依存
    • 個人的にこのあたりも可視化が第一かも(P. 112に似たことが書かれている)
  • (P. 118) フィードバックや報酬といったたぐいのものが、現在感謝くらいしかできていないことに少し苦い思いをしている
    • なんかもっと時間使ってやってもらっているのに感謝の表現量としてはまだまだ小さいよね、とは思ってる
    • 大事にしていきたいとは思っているので、行動に移していきたい・・・
  • (P. 124) 自己効力感というワードを初めて知った
    • やれそうだな、という確信を持てる程度らしい
    • 確かにチームビルディングにおいて、やれそうだ、という確信があるのは良い
    • 確信がないと仕事が振りづらいとかもあるのかも(仕事をふる側も安心できない問題)
  • (P. 127) Band(絆)のための3B、Bridge, BandWidth, Begin
    • 人をどうつなぐかなんだよなあ
    • Bridgeは友達の友達をまず呼んで、そこで友達の友達同士をつなぎましょう、と言ってる僕の考え方と似てる
    • BandWidthは結束の強さか、うーん、むずい
    • Beginはコミュニケーション頻度で、当日イベント終わったら振り返りやりましょうで顔を合わせてコミュニケーションとってる僕たちが実践してることっぽい
  • (P. 133) コミュニケーションツールは学習コストも考えて、Slackが一番ラクなのでそうしてるけど、もっと大きくなるとチケットベースみたいなコミュニケーションのほうがやりやすいのかもなあ
    • チャットの弊害はすごくわかる
  • (P. 140) 外部コミュニケーションの大切さ、すごくわかる
    • 代謝するようなコミュニティでないと情報が停滞するよね
    • あとはビジネスとか、周辺の人も巻き込めると良いけど、そのあたりまでイケてるかは怪しい
    • リファラルを活かす方法もあるらしい、たしかにこの人巻き込みましょうみたいなのはたまにあるかも?
  • (P. 147) KPIもあまりうまく定められてないな
    • まずやって見るフェーズなのはあるけど、どれくらいいたら実施、いなかったら取りやめくらいの強い気持ちがあってもよいのかも
    • 回答数、大事にしていきたいですね。そのコミュニティに興味があるから意見をしていくんだと思う
  • (P. 151) 継続的な改善がコミュニティの差を生む、いい言葉
  • (P. 155) 立ち上げ期は自分ひとりでも、それ以降は自分がボトルネックにならないように受け継いでいく、今の自分の中の強い課題かも
  • (P. 162) 所属するコミュニティ次第で人は変わる
    • 立場や環境が人を作る、本当にそうだと思う
    • 合わないなーと思ったら離れる努力も大事
  • (P. 166) 良いコミュニティにたくさん所属していきたい
    • 自分自身もコミュニティ運営をより良い体験の場にしていきたいから、もっと知りたい
    • 同時に様々な形でコミュニティに貢献していきたい
  • (P. 171) 後でこの本を読む

すごい熱い話で感動したのと同時に、言葉にできていなかったから気が付かなかったこと、また新しく得る事ができた知識もあったことで、読んで本当に良かったと思っている。

自分と同じようにとりあえずコミュニティ活動はじめました、って人はぜひスライドを読んでほしい・・・。これができていない、あれができているということを通して、コミュニティがどの段階にいるのか、抱えている問題は何なのか、自分が貢献できることは何なのか、が見えてくるかもしれない。

以下、余談です。

自分がコミュニティ運営でやりたいこと

これは個人の意見です。

  • 最終的なゴールは勉強会をフレームワーク?パッケージ?化し、全国各地で勉強会を誰でも開けるようになること
    • そのためにコミュニケーションは割とオープンにGitHubで残る形にしている
    • あとから入ってきた人が入りやすいように、というのもあるが、実際結果だけがはられるよりもプロセスの中で何を考え話したのか、という過程が大事なときもある
    • そういうのを広めていきたい
  • なぜそれをしたいのかという目的は、学生時代に勉強会とか、もくもく会とかなく過ごしたために、いろいろな知識を取りそこねたり、面白い経験をしそこなったと感じたから
    • 背景として地方の大学にいたため、そういう機会がまったくなかった
    • カンファレンスとかも上京してから初めて参加してみて、いろいろな技術が存在することを知ったし、時間がある学生時代にもっといろいろな経験を積んでおけばよかったと思った
    • 現在は多少格差が解消されつつあるとは思うが、それでも不十分だと感じている
    • 勉強会がある、ということを知ってもらうのは難しいかもしれないが、勉強会を簡単に開くことができれば、勉強会を各地でやることであるんだよ、ってことをまず知ってもらえるきっかけになりそう
  • これらは遠い目標だけど、まず東京開催のイベントは自分の手から離れるようにデザインしていきたい
    • 形式化がある程度されて、ある程度の暗黙知を有するメンバーならいける、くらいにしていきたい
    • そのためにはあと2倍はスタッフほしいかも。20人くらいいればなぁ。
    • 全く知らない人同士が運営でつながることによって、新しい良い出会いとできれば、と思う
  • 直近の課題感は、コミュニティのテーマとメンバーの意識合わせかなあと
    • 1年弱イベントを曲がりなりにもいくつかやってきた
    • ただコミュニティのテーマとしてどうなりたいか、はぶれつつあるように思う
    • 本当のところ、みんな何をしたいのかな、どうしたいのかな、みたいなところは意識合わせできているかといえば不明
    • 自分のコミュニティだけでなく、なぜ運営に携わりたいか、をもっと聞きたい
  • もちろんエンジニアとしてのスキルアップもしていく
    • 自分のコミュニティの主題としてはそこである
    • 勉強する、成長する、やり遂げる、改善する… のPDCA(古いか)を回しながら、経験を積んで強くなっていく

コミュニティに期待すること

  • このコミュニティのゴールや目的は明確かつ、行動的であってほしい
    • 勉強たくさんするぞといつつ、飲んでばかりのコミュニティとかはだらしない印象を受ける
    • 知識交換するぞ、といいつつ発言数が極端に少ないコミュニティはコミュニケーションのあり方として疑問に思う
    • 好きな作品について語るぞ、なら絶え間なく…(ぶっちゃけここが一番心地がよく、その作品が好きなんだなというのを強く感じるし、一番目的に沿っていると思う)
  • 問題点を認識しているのか、問題に対して改善しているのかは明確にしてほしい
    • 問題が放置されるのは誰しもが嫌だと思う
    • 人間のキャパシティには限界があるので、少しづつ解消されるとは思うが、それが目に見えて進捗していることを見ると安心できる
  • 個人的にはオープンマインドな人が多いと楽
    • 世間では心理的安全性という言葉が流行っているが、言語統制をするような世界観は個人的に生きづらい
    • 自分自身は情報を発信する立場である事が多いので、情報を与えてくれる人が非常にありがたい
    • Give & Take の考え方でいう、Giverでありたいので、Takerみたいなフリーライダーがたくさんいる世界観は貢献度が薄くて心が廃れる
  • 定期的にオフイベントとかがあると良い
    • インターネットを介すとバイアスがかかる
    • 実際に会うとモチベーションとか、思考とかがわかるので、たまにはそういう形で会えると良い
    • SNSでフォローしてても会わなければ会わないほど、その人とは疎遠になる気持ちを感じる(すでにSNS歴二桁くらいなので)

まとめ

今回の発端としては、スライドを読んだのもあったのだが、もう1つ理由がある。若干後ろめたい部分もあるが、あえてオープンにすることで起こったことと思いを書く。

その理由とは最近1つあるSlackをBANされる形となったことがあり(自分的には発言者が少ないという事実に触れつつ、コミュニケーションを円滑にするための施策としてどうしていきたいのか、という旨で140文字程度のものを書いたのだが、それが伝わらなかったようだ)、今一度コミュニティのあり方を見直さなければいけない、と立ち返ったことだ。まあこれ、今考えると自分自身がこのSlackスペースの思想的に合っていなかったので、もっと早いタイミングでスッと手を引くべきだったのだが、下手に手伝おうとしてしまったのが失敗だったのかな、と思っている(悪意があって、その旨の発言をしたわけではないことは断っておく)。 ちなみに上のスライドでも上がっているテーマ性の希薄さや、コミュニティへの帰属意識の薄さがこのSlackスペースには存在していたと分析していて、そのための改善活動は行われていなかった。その点に関してどうしていきたいのかを僕は疑問視して投げかけただけなのだが…。そして一方的にBANされる形になったのだが、その理由の説明がないとか、あまりいいフィードバックをもらっていないので、余計にとっとと出ていくべきだったと思えてしまっているのも、非常に残念な経験となってしまった(発言のどのあたりが引っかかったのか、管理者とやり取りする手段がないので、もはやわからないが、発言を管理者権限で一旦消した上でDM等でやり取りできていれば、まだマシな結果になったのではないだろうか、ということは思わなくもない)。 終わった話なので、ここに書いて忘れることにするが、一般的なポリシーと照らし合わせても許容されうる発言であったと考えているし(事実とそれに関してどうしていきたいか聞きたかっただけなので)、僕自身にとって制約が厳しいコミュニティだったのだなと思う。機会があれば直接お話しましょう、とは思っているが、インターネット上のつながりがメインだったので、多分もう会うこともないんじゃないかと思う(それにこういうとき直接会ってお話しましょう、と言われるのは碌なことにならないのも経験上良く知っている)。東京のエンジニア世界は狭いので、またどこかで出会ってしまうのが定なんだろうけど。

自分はこのコミュニティでの経験を反面教師にして、自分がどう関わっていきたいか、またコミュニティーのテーマとはなにか、ということを常に意識し、自分や自分が所属するコミュニティーを通して、少しでも多く知識や経験を与えられるように誠意努力していく決意を新たにした。今はLT会、もくもく会の運営をやっているが、そのうち別の勉強会の形式や運営を他の人に委ねる、といったこともどんどん実践していくことを継続的に取り組んでいきたい。そして人と別れるときもあるだろう。そういうときはケンカ別れではなく、お互いに納得する形で離れられるよう、設計していきたい。そうしないと心への負担は大きくなる一方だからだ。区切り、というのは引津っている気持ちを断ち切ることができ、心の整理がしやすいものだと思う。別れというのは悲しいものであるが、訪れるのは避けられないものなので、残念ながら、今後はその機会を提供する側に回らなければならない。

また色々なコミュニティで学ぶ中で、自分自身の感覚をアップデートすることや良いコミュニティに参加して貢献すること、これらも実践的にやっていきたいことである。東京には星の数ほどのコミュニティがある(それを大海のいくつか、と呼んだ発表者もここにいる)。その中で合う、合わないはどうしてもあるものだ。自分が帰属できる場所を増やしつつ、なるべく合わないところは避けるなど、そういう形で自らを律し、コントロールしていきたいと思う。あるいは自分自身でどんどん作って、成果をなすのもいいのかもしれない(小さい勉強会というか、読書会でこれ読みたい、みたいなネタは結構溜め込んでいるので、もっと高スパンで自分自身は勉強できる場所を作りたい思いはある)。自分がいて楽しいと思える場所、他の人も楽しめる場所、そういうのを大切にしたい。

コミュニティについて、また普段のプライベートの使い方について非常によく考えさせられるきっかけとなった。都合上、具体的な名前は伏せつつ話を展開したが、具体的な話がしたいのであれば、またリアルであったときに話しましょう、この件に関しての思いが僕自身は強いので、良かったら一緒に「コミュニティとは」「個人とは」「どう関わるべきか」を語り合いたい。