なんとか当日頒布が間に合いました。
キンコーズ様に印刷のお世話になりました。ありがとうございました。
技術書典のイベントでは頒布数等の情報を可視化して欲しいという要望を多く頂いていますので、今回の結果をまとめてみようと思います。
頒布数
総頒布数 88部
最初31部、2回目の印刷で40部、3回目の印刷で25部印刷し、合計で96部です。見本誌1冊、手元に4冊と、お世話になった方へ3冊寄贈しましたので、結果として頒布数は88部となりました。
つまり頒布の収入は8800円。
費用
印刷費:14652円 サークル参加費:7000円
21652円(これまで同人でやった中だと間違いなく最高額)
会計としては
8800 - 21652 = -12852
というわけで、13000円近くの赤字でした。
どうしてこうなったか
(8800 - 14652) / 88 = -66.5...
とそもそも頒布しても赤字がマシになる程度で、66円くらい赤字がついてます。
ボクのコンセプトとしては同人誌即売会は支払いの便宜上、100円、500円、1000円、それ以降は500円刻み…でないと買いにくいというのが以前の同人誌即売会でも経験があって、コピ本なら100円でも仕方ないかーと思って作った結果、こうなりました。
ただこれ値上げするほどのクオリティはボクの中で担保できないと思っていて、正直200円にしてたらこんなに頒布数伸びなかったと思うので、それでよかったかなと思う。ボクの財布は厳しくなりますが、その分読んで笑顔になっていただければ幸いです。
ボクが赤字を出した分、問題を解いてコンテストに参加してこのコミュニティを盛り上げていけたら、と思います。
ボクがこの本を通して伝えたかったこと
競技プログラミングという存在の認知
はっきり言って、会場内で異質なサークルだったと思う。他のサークルがスマホ、Web、はたまた組み込み機械や仮想通貨を取り扱っている中、うちのサークルは異常に根源的なアルゴリズムを題材にした本を出していた。この事実だけで非常にインパクトはあったと思うし、会場に爪痕を残せたと思う。
会場には普段Twitterでお世話になっているフォロワーの皆さんが多く訪れてくれて本当に良かったです。また精進していきましょう。
というのもありますが、本当のターゲットは競技プログラミングという層から離れている開発者や、Facebookを中心にしている開発者へのリーチとなります。 Twitterだけ見ていると競技プログラミングは盛り上がっているように見えますが、現実世界ではそうでもないと思います。(現に昔働いていた会社では認知されていませんでした)
こういう人たちに届かせるためには、会場に行って本を出して認知してもらうことが一番大事だと私は考えていて、今回行動に移しました。よく言われることですが、「知らないものをググることは出来ない、なぜならググるための言葉を知らないからだ」これに尽きるのではないでしょうか。正直、他のサークルみたいに印刷所でコーティング加工されたような立派な本ではないんですが、今回会場に存在して競技プログラミングがある、AtCoderがあるということを周知できただけで個人的には非常に満足しています。
ボクはここから1人でも多くの参加者が増えることを願っています。今回、色々な参加者の方が購入されていきました。大学生風の人、同年代っぽい社会人、それ以上の年齢っぽく見える人たち。いろんな世代の人がワイワイと同じフィールドで戦っていくの、結構面白いとボクは思っています。れっつじょいん。
もっと先へ
もっと先の話は競技プログラミングを常識に近づけていって、競技プログラミングをやっている自分たちが住みよい世界を作ることです。
個人的には未だに「競技プログラミングは役に立たない」等の意見が出てきていることを非常に疑問視していて、動くことから先の高速に動く経験が後回しにされているのではないかと考えています。普段使っているアプリとか、銀行のATMとか、券売機とか。
最初からパフォーマンスを意識した動作が設計、実装できるとボクは最高だと思っていて、競技プログラミングを通して高速化のロジック構築能力、実装能力が伴ってくると思うと、私は良いことだと考えています…。
現状がこうなっていない以上、イメージチェンジ、イメージアップは競技プログラミングしている側からやっていかなければならない課題だと思っていて、今回行動に起こしてみました。競技プログラミングをもっと知ってもらって、理解してもらって競技プログラミングの人たちが住みやすい世界になればいいなと思います。
最近、 AtCoderJobsという求人媒体も出てきました。実装能力の高い人を探している人たちは是非チェックするべきだと思うのですが、未だに応募数が少ないところを見ると、まだまだこの道の先は長そうです。
その他思想
同人とは何なのか
今回の技術書典を見ていて感じたのは、改めて同人とは何なのかを考えさせられたという点。なんというか、たくさん頒布できた結果には満足しているけれども、求められすぎて答えが上手く出せてなくて本当に申し訳ないという気持ちが実はありました。
ボクの中では当然そうなのですが、ボクは好きだからこそ競技プログラミングの本を書いたわけですし、頒布を行ったわけなのですが、技術書典は実用によりすぎてしまって本当に好きで書いているのか?(必要だ、認知されなければいけないという意志が勝りすぎていて、本当に自分の好きが伝わらなかったのではないか?)ということが引っかかりました。
参加者が求めていて、印刷も可能な状況だとわかっていたので、2度キンコーズ様まで走り増刷したのですが、本当に多くの人の手に渡って良かったなと思っています。
ボクは「同人」が今回増えてくれたら本当にうれしいです。ただ、それだけです。
リアルタイム感がなんか無い
ライブコーディングでもして実際に問題通すとか、そういうことしないとダメなのかもしれないかなと思った。(あと何部あるみたいな情報もね)
やり方があれば考えたいですね。
まとめ
自分の好きをどこのサークルよりも発信できたと思うので、同人活動としては非常に満足がいく一日でした。思っていた以上に忙しく、あまり対応ができなくてごめんなさい。
ボクがやったことは大したことでもないし、コピ本で出すのであれば安く刷れるんだよということを(ついでに)世の中に知らしめることが出来たので、次はもっとやべえ状況のサークルが出てきても面白いかなと思います。
この本の思いとか、もっと語りたいことがあるのですが、それはまた別の機会に。(あとスケジュール的な反省も上げる予定ではいます)
次回のサークル参加は正直考えていないです。個人的にはアルゴリズムの本はボクよりももっと広く知っている人たちが書いたほうがいいと思っていて、その人達のお手伝いができれば十分かなと考えています。(関われすらしないかもしれないが)
今日は大変疲れたので、寝ます。来てくれた皆さん、そして問題を参照させていただいたAtCoder様、本当にありがとうございます。明日は学校や会社もあることでしょうし、眠って備えましょう!!!